『きみを嫌いな奴はクズだよ』

知人に貸した現代短歌集が帰ってこない(正しくは『返って』であるが今回は敢えて『帰って』を使わせていただく)。

 

その名も『きみを嫌いな奴はクズだよ』(木下龍也)である。

 

本屋のシックな焦げ茶色の木の本棚の一角に、ショッキングピンクと水色のチカチカするような表紙のそれは居座っていた。

目を惹くタイトル・表紙(しかも帯はクリープハイプ尾崎世界観さんである!)、現代短歌の世界への誘い…

気が付いたら『きみを嫌いな奴はクズだよ』を手にレジへと向かっていた。

 

ちなみにこのとき、近くにあった『死ぬほど好きだから死なねーよ』(石井僚一)も表紙のインパクトにやられ、一緒に仲良くレジに並べた。

書店員さんはさぞびっくりしたことだろう。

 

家に帰るのを待ちきれず、電車内にて開封。

大学の講義で与謝野晶子の『みだれ髪』をやっているのだが、短歌(に関わらず文学全般)には「時代」が何よりのエッセンスになる。『古今和歌集』もそうだし、『みだれ髪』も『きみを嫌いな奴はクズだよ』もそう。

それぞれ和歌・短歌を詠む人の生きている「時代」というものが色濃く反映され、味わい深い読みが出来るようになる。

 

『きみを嫌いな奴はクズだよ』を読んでそう思った。

そして知人には早く返して欲しい。

 

 

『きみを嫌いな奴はクズだよ』中の好きな短歌は以下の通りである。

 

「君とゆく道は曲がっていてほしい安易に先が見えないように」

 

「木にキスをする少年の唇が木の唇の位置を定める」