しそ昆布のご飯

昔から何故か貧血になることが多く、今より体重が6㌔ほど軽かった中学生時代は、しょっちゅう貧血に見舞われ、多くの人に迷惑をかけた。

特に、バスケ部の面々には迷惑かけまくった。部員9人しかいなかったのに、試験休み明けの試合では毎回、ハーフタイムになると顔色はめちゃくちゃに悪く、フラフラして、体育館の倉庫で(マット運動で使うマットをベッドに見立てて)休んでいた。

 

今日、久々に貧血に見舞われ、あわや大惨事となるところだったのだが、改めてその経緯を振り返るとアホらしく、大層馬鹿馬鹿しいので、その顛末をここに記す。

 

話は昨夜に遡る、勉強→睡眠→勉強→睡眠を繰り返していたため、翌朝6:30に起きるようアラームを設定したのにも関わらず、なかなか眠ることが出来ず、明け方に就寝した。案の定、本格的に目を覚ましたのはアラーム設定時刻の1時間後、7:30であった。

冬の朝に滅法弱く、さらに低血圧であるため心底起き上がりたくなく、「起きたくねえ~~」と声に出しながら起床した。この時点でやや遅刻気味なのだが、いつものルーティンは欠かすことなく普通に顔を洗い、歯を磨いた。

ふとリビングに行き、炊飯器に目を向けると、白米があった。

 

白米だ。

 

そう思った。すると、瞬時に「冷蔵庫の中」の映像が頭に浮かんだ。

 

そういや、しそ昆布があったな…。

 

普段、朝食を摂る人間ではないのだけれど、何故か無性に、しそ昆布をのせた白米が食べたくなった。遅刻気味なのに。

頭がどうにかしていたので、茶碗にご飯をよそい、冷蔵庫からしそ昆布を取り出して、盛り付けた。普通の常態におかれている人間ならば、座ってご飯を食べると思うのだが、何故か私は「座ってご飯を食べる余裕なんか無いな、遅刻気味だし。」と思い、台所のシンク前で、あろうことか立ってご飯を食べることにした。

遅刻気味ならご飯を食べるな、と言いたくなる。

 

そして、白米を口に入れ始めるのだが、ここで私は「よく噛んだ方が健康に良いんだよな〜」と悠長に咀嚼回数を通して健康を意識していた。しかし、もちろん遅刻気味であったので、「遅刻気味だから、咀嚼を早くしてみよう」と思って、咀嚼をすごい勢いで黙々と行った。

今考えると、本当に頭がおかしい。

 

咀嚼を黙々としていると、急に食べているはずのお米の味がしなくなった。「アレ?」と思ったのも束の間、全身から血の気が引いていき体温が下がった。「アー!この感覚知ってるぞ?!貧血だ!」と脳内でガンガンに警報が鳴り、やばいやばいと思いながら、手に持っていた茶碗をほとんど投げ出すような形で台所に置き、暗くなる視界に注意しながら自室へ戻り、ベッドに倒れ込んだ。

 

健康に気をつかって朝ごはんを食べていたくせに、効果が出る前に死んだ。もう、朝ごはんなんて食べねえ。

 

しばらく横になって休んで、起き上がってバイトに向かった。

 

遅刻した。

 

結局、遅刻もして具合も悪かった。

本当にアホすぎるので皆さんは気をつけてください。